翻訳コラム by 石川正志
トップページに定期的に連載している「翻訳コラム」を、バックナンバーとしてまとめました。このコラムでは、金融の世界で使われる独特の表現を一つずつ取り上げ、説明いたします。

金融業界では固有の表現や用語が使われており、辞書などをみても、なかなか適切な訳語が見つかりません。証券・運用業界での実務経験、経済新聞の購読、業界紙の読み込みなどを通じて、「この英語はこの日本語を充てるとピッタリくる」という事例を紹介して参ります。
Abenomics - アベノミクス(2)

前回取り上げた「アベノミクス」の具体的な中身について、表現を確認しておきたいと思います。

皆さんご承知のようにアベノミクスは「3本の矢」に例えられており、英語の金融レポートでも “arrow” of “Abenomics”という表現を見かけます。この「3本の矢」の表現は、整理しておいた方が便利でしょう。

第一の矢 - 「大胆な金融緩和」「異次元の金融緩和」
第二の矢 - 「機動的な財政政策」「機動的な財政出動」
第三の矢 - 「成長戦略」「民間投資を呼び込む成長戦略」「民間投資を喚起する成長戦略」

金融翻訳とは関係ありませんが、先日、野球の長嶋氏、松井氏に対する国民栄誉賞の表彰式で、安倍首相が「第四の矢」について触れていました。

「みんなが夢に向かって一生懸命頑張ることが、『3本の矢』に次ぐ4本目の矢になる。これからも子供たちに夢を与え続けて欲しい」と。

日銀の黒田総裁も「市場の期待に働きかける」政策を発動しており、市場や個人が「期待」や「夢」を持てるようにすることも、確かに重要かも知れません。

さらに脱線しますと、「第4の矢」として「財政再建の道筋を明確にすること」を挙げているエコノミストがいましたが、それも重要なことと言えるでしょう。

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