「一つの言葉に幾つかの訳を用意しておくこと」の事例をもう一つ挙げたいと思います。
balance sheetという言葉です。以下の例文を考えてみましょう。
Only those companies with strong balance sheets and abundant cash positions will survive.
balance sheetをカタカナでそのまま訳すとすれば、例えば、
「健全なバランスシートと豊富なキャッシュを持つ企業のみが生き残るだろう。」
となります。自分はbalance sheetを訳す場合、「財務体質」や「財務基盤」を良く使います。
「財務体質が健全で、潤沢なキャッシュを持つ企業だけが生き残れるであろう。」
「財務基盤が強固で、手元流動性も豊富な企業のみが、今後も存続するであろう。」
といった感じです。
「バランスシート」というカタナナ表記は、「バランスシートが悪化する」とか「バランスシートの管理」といった文脈で使うことが、どちらかと言うと多いでしょうか。
「財務体質・財務基盤」は、healthy balance sheetやunhealthy balance sheetという表現が出てきた場合に、「財務体質は健全」、「財務体質は強固」、「財務基盤は強固」、「財務基盤は強い」、「財務基盤の脆弱性」といった言い回しで使っています。
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