翻訳コラム by 石川正志
トップページに定期的に連載している「翻訳コラム」を、バックナンバーとしてまとめました。このコラムでは、金融の世界で使われる独特の表現を一つずつ取り上げ、説明いたします。

金融業界では固有の表現や用語が使われており、辞書などをみても、なかなか適切な訳語が見つかりません。証券・運用業界での実務経験、経済新聞の購読、業界紙の読み込みなどを通じて、「この英語はこの日本語を充てるとピッタリくる」という事例を紹介して参ります。
weakness/slump - 消費低迷

「消費」を例に、経済指標が良くない状態を示す表現を考えてみたいと思います。

最近、金融危機の影響が実体経済に波及し、消費の落ち込みを示す指標が増えています。英語では以下のような表現がよく使われます。

sluggish consumer spending
low personal consumption
consumption weakness
slump in consumption

日本語ではどのような表現にしたら良いか。代表的なものとしては「消費低迷」、「消費不振」、「消費の落ち込み」でしょうか。「個人消費の低迷」などは、新聞などのメディアで良く使われます。

「消費の減速」や「消費の鈍化」とも言いますが、この場合は、伸びのペースが落ちている場合と、消費の絶対水準自体が低下している場合の両方が含まれるのではないかと思います。

悪化している指標は、「消費」だけでなく、「設備投資」その他いろいろありますので、「低迷」、「不振」、「落ち込み」、「減速」、「鈍化」など、「悪い状態」を示す言い方を幾つか整理しておくと、同じ文章の中で多様な表現ができて良いかと思います。

その他、「冷え込み」、「失速」、「軟化」など、表現はいろいろと考えられます。

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