昨年2012年11月くらいから、新たな金融用語を幾つか耳にするようになりました。
「アベノミクス」と「量的・質的金融緩和」「異次元緩和」がその代表例ではないかと思います。まず「アベノミクス」を取り上げたいと思います。
Abenomicsという言葉は、安倍政権誕生後すぐには翻訳対象の金融文章の中には使われていなかったように思いますが、ここ数ヶ月間、翻訳をしていて度々目にするようになりました。
最近は新聞を読んでいても、「アベノミクス」単体で使われる文章が増えているように思います。
ただ英語の金融レポートを日本語に訳す場合、Abenomicsをただ「アベノミクスは~」とか「アベノミクス効果で」と書くのではなく、アベノミクスとは何かを少し補った方が読み手に対しては親切ではないかと思います。
英語で定義が書かれている場合もありますが、なくても、以下のように書き足してみてはいかがでしょうか。
「安倍晋三政権が打ち出した経済政策であるアベノミクスは~」
「安倍晋三政権の経済戦略『アベノミクス』を背景に~」
「安倍晋三首相の経済政策『アベノミクス』への期待から」
「日本の経済再生を目指すアベノミクスへの期待」
もっと丁寧に書くとしてら、次のようになりますでしょうか。
「2012年12月に誕生した自民党の安倍晋三政権が主導する経済政策『アベノミクス』」
実際に金融緩和を実施するのは日銀ですから、
「大胆な金融緩和を推し進めるアベノミクス」は、まずいと思います。
「大胆な金融緩和を掲げるアベノミクス」ならばOKでしょうか。
次回、「アベノミクス」の中身の表現について書きたいと思います。
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