翻訳コラム by 石川正志
トップページに定期的に連載している「翻訳コラム」を、バックナンバーとしてまとめました。このコラムでは、金融の世界で使われる独特の表現を一つずつ取り上げ、説明いたします。

金融業界では固有の表現や用語が使われており、辞書などをみても、なかなか適切な訳語が見つかりません。証券・運用業界での実務経験、経済新聞の購読、業界紙の読み込みなどを通じて、「この英語はこの日本語を充てるとピッタリくる」という事例を紹介して参ります。
財政の崖 - fiscal cliff

“fiscal cliff”という言葉が、最近の金融関係の英文によく登場します。

金融翻訳者であれば、米国経済は先行き不透明だという趣旨の記述の中で、当然目にしている言葉でしょう。

「財政の崖」が定訳のようですが、金融レポートの中で、単に「財政の崖」問題と表記するだけでは不親切であり、やはり、何らかの説明を補うべきでしょう。

新聞等では、いろいろな説明をしており、翻訳者は自分なりに、使う説明文を用意しておくのが良いかと思います。

・減税などが年末で期限切れとなる「財政の崖」
・急速に緊縮財政が進む「財政の崖」
・13年1月から連邦歳出の強制削減措置が発動される
・今年末に大型減税が失効する「財政の崖」
・来年初めに大型の財政緊縮が起きる「財政の崖」
・減税の失効や歳出削減が年明けから始まる「財政の崖」
・年末の減税終了に伴う「財政の崖」
・年末の大型減税失効で景気が失速する「財政の崖」への懸念
・年末で各種減税措置が切れ、年明けから強制的な歳出削減が始まる「財政の崖」
・大型減税の失効や歳出の強制削減などが重なり、2012年から急激が財政引き締めが始まる「財政の崖」

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