翻訳コラム by 石川正志
トップページに定期的に連載している「翻訳コラム」を、バックナンバーとしてまとめました。このコラムでは、金融の世界で使われる独特の表現を一つずつ取り上げ、説明いたします。

金融業界では固有の表現や用語が使われており、辞書などをみても、なかなか適切な訳語が見つかりません。証券・運用業界での実務経験、経済新聞の購読、業界紙の読み込みなどを通じて、「この英語はこの日本語を充てるとピッタリくる」という事例を紹介して参ります。
peripheral - 欧州周辺国

欧州連合(EU)がギリシャ向けの第2次金融支援を決定しました。

時間稼ぎ、問題の先送りの感が否めず、この欧州債務問題は、今後も紙面を賑わすテーマとなりそうです。

この問題に関して、ずっと以前から気になっている言葉があります。peripheral countriesという言葉です。

問題のギリシャのほか、スペイン、ポルトガル、アイルランドなど、財政再建の問題を抱える欧州諸国を、メディアは「欧州周辺国」と読んでいます。

peripheral countriesの訳かと思いますが、私はこの「周辺」という言い方に、どうしても違和感を覚えます。

おそらく「周辺国」で正しく、私が間違っているのだと思いますが、「周辺」というと、欧州圏の「外」にある国に、どうしても思えてしまうのです。

欧州の「周辺」、「外」の国といったら、エジプトとかモロッコとか、イスラエルとかになるでしょうか。いずれにせよ、「周辺国」といったら、いわゆる欧州圏に含まれる国は入らないような気がしてなりません。

ではギリシャ、ポルトガル、アイルランドなどのpheripheral countriesを何と訳したら良いのか。新聞紙面で、一度だけ、「周縁国」という表現を見たことがあります。私はこの「周縁国」の方が正しいのではないかと思います。

「周縁」であれば、欧州という枠の「縁(ふち)」に位置する国として、欧州の一番外側にギリギリ含まれる。ギリシャ、ポルトガル、アイルランドは、まさにこの「周縁」に位置する国ではないかと思います。

「欧州周辺国」ではなく「欧州周縁国」ではないか。きっと私の理解が間違っているとは思いますが、どうしてもそう感じます。

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