翻訳コラム by 石川正志
トップページに定期的に連載している「翻訳コラム」を、バックナンバーとしてまとめました。このコラムでは、金融の世界で使われる独特の表現を一つずつ取り上げ、説明いたします。

金融業界では固有の表現や用語が使われており、辞書などをみても、なかなか適切な訳語が見つかりません。証券・運用業界での実務経験、経済新聞の購読、業界紙の読み込みなどを通じて、「この英語はこの日本語を充てるとピッタリくる」という事例を紹介して参ります。
basis points - ベーシス

皆さんは翻訳をしていて、basis pointという言葉に出会ったことはありませんか?

ファンドのリターンや金利水準などの単位を示す言葉として、金融、運用関係の文書でよく登場します。

本稿をお読みの皆さんは、おそらくご存知だと思いますが、1 basis pointが0.01%、100 basis pointsで1%になります。

問題は、翻訳の中で、これをどのように表記するかですが、その翻訳原稿の内容や、顧客側の指定、好みによるのではないかと思います。

The Fund returned 64 basis points in the Euro class.

「当月、ファンドのリターンはユーロ・ベースで0.64%となった。」

運用報告書を訳す場合、顧客の指示がなければ、私は通常、上記のようにパーセント表記にしています。

とある顧客からの依頼の場合は、最初に頂戴したサンプル文書が bp と英語で表記していたので、それに従って、

The Fund underperformed the benchmark by 69 bp in 1Q.

「第1四半期、ファンドはベンチマークを69bpアンダーパフォームした。」

というふうにbpを使いました。

おそらく「ベーシス・ポイント」とフルにカタカナで表記するケースもあるのではないかと思います。

あるヘッジファンドのお客様からの翻訳依頼で、初回の納品時に「ベーシス・ポイント」としたら、「機関投資家向けの文書なので、『ベーシス』だけで十分だ」という指摘を受けました。

プロがプロ向けに出すレポート等では、「ベーシス」だけで通用するのではないかと思います。

私も運用業界にいた頃、社内では運用報酬の料率などの単位として「30ベーシス」とか「20ベーシス」とか、会話の中で「ベーシス」だけが使われていたのを覚えています。

翻訳の依頼があって、依頼主と確認することが可能であれば、その会社ではどう表記するのが慣例なのか、聞いてみるのが良いかと思います。

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