翻訳コラム by 石川正志
トップページに定期的に連載している「翻訳コラム」を、バックナンバーとしてまとめました。このコラムでは、金融の世界で使われる独特の表現を一つずつ取り上げ、説明いたします。

金融業界では固有の表現や用語が使われており、辞書などをみても、なかなか適切な訳語が見つかりません。証券・運用業界での実務経験、経済新聞の購読、業界紙の読み込みなどを通じて、「この英語はこの日本語を充てるとピッタリくる」という事例を紹介して参ります。
some/several - 不動産株の一角

もう一つ、株式関連の文章によく登場する表現を取り上げてみましょう。

「一角」という表現です。

Some stocks of real estate sectors continued to rise strongly.

「不動産株の一角が、引き続き大幅に株価を伸ばした。」

通常の翻訳、或いは「英文解釈」のレベルでは、「一部の不動産株は~」という訳になると思いますが、ここを敢えて「一角」とすることで、一般翻訳から金融翻訳の領域に入って行くことになります。

もう一例挙げておきましょう。

Construction sector contributed positively to returns. There were also gains in several positions in oil sector.

「当月は、建設セクターがファンドのリターンにプラスに寄与し、石油関連の一角も利益をもたらした。」

こんな感じです。

こういう表現が自然に浮かんでくれば、適宜、翻訳の中で使えばよいと思いますが、新聞や各種読み物を通じて、「これを翻訳で使ってみたい」という表現に出くわしたら、何かに書き留めておいて、それに相当する英語が登場したときに、ボキャブラリーの「引き出し」を開けて、使ってみる。そんな能動的な翻訳のアプローチも一つではないかと思います。

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