翻訳コラム by 石川正志
トップページに定期的に連載している「翻訳コラム」を、バックナンバーとしてまとめました。このコラムでは、金融の世界で使われる独特の表現を一つずつ取り上げ、説明いたします。

金融業界では固有の表現や用語が使われており、辞書などをみても、なかなか適切な訳語が見つかりません。証券・運用業界での実務経験、経済新聞の購読、業界紙の読み込みなどを通じて、「この英語はこの日本語を充てるとピッタリくる」という事例を紹介して参ります。
balance sheet – バランスシート/財務基盤/財務体質

「一つの言葉に幾つかの訳を用意しておくこと」の事例をもう一つ挙げたいと思います。

balance sheetという言葉です。以下の例文を考えてみましょう。

Only those companies with strong balance sheets and abundant cash positions will survive.

balance sheetをカタカナでそのまま訳すとすれば、例えば、

「健全なバランスシートと豊富なキャッシュを持つ企業のみが生き残るだろう。」

となります。自分はbalance sheetを訳す場合、「財務体質」や「財務基盤」を良く使います。

「財務体質が健全で、潤沢なキャッシュを持つ企業だけが生き残れるであろう。」
「財務基盤が強固で、手元流動性も豊富な企業のみが、今後も存続するであろう。」

といった感じです。

「バランスシート」というカタナナ表記は、「バランスシートが悪化する」とか「バランスシートの管理」といった文脈で使うことが、どちらかと言うと多いでしょうか。

「財務体質・財務基盤」は、healthy balance sheetやunhealthy balance sheetという表現が出てきた場合に、「財務体質は健全」、「財務体質は強固」、「財務基盤は強固」、「財務基盤は強い」、「財務基盤の脆弱性」といった言い回しで使っています。

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