翻訳コラム by 石川正志
トップページに定期的に連載している「翻訳コラム」を、バックナンバーとしてまとめました。このコラムでは、金融の世界で使われる独特の表現を一つずつ取り上げ、説明いたします。

金融業界では固有の表現や用語が使われており、辞書などをみても、なかなか適切な訳語が見つかりません。証券・運用業界での実務経験、経済新聞の購読、業界紙の読み込みなどを通じて、「この英語はこの日本語を充てるとピッタリくる」という事例を紹介して参ります。
「デレバレッジ」再考

再び暫く間が空いてしまい、申し訳ありませんでした。お読み戴いていた方には、お詫び申し上げます。

4月にdeleverageを取り上げましたが、この言葉は、この半年間にメディアでさらに頻繁に使われるようになりました。説明抜きに、この半年の間に各種紙面から集めた表現を以下にご紹介いたします。

Deleverageの意味で使われている表現、またはその意味に近い表現。
・ 投資資金の引き上げ
・ レバレッジの解消
・ 脱レバレッジ
・ レバレッジを外す
・ レバレッジ・マネーの急速な縮小
・ レバレッジ・ファンドの換金売り
・ 投資資金を回収する動き
・ 投資資金の引き上げ
・ 融資回収を急ぐ
・ 投機資金の巻き戻し(unwindの訳に似ています)
・ デレバレッジング(負債圧縮)

Leverageの方も、いろいろな訳で登場しています。Leverageの元々の意味である「テコ」という言葉を入れるケースも見られるようになりました。
・ レバレッジ(外部負債依存)
・ レバレッジ(負債依存度)
・ レバレッジ(外部負債)
・ 借入金をテコに
・ レバレッジ(テコの作用)を効かせて
・ 大胆な借り入れの利用
・ 借入などの信用を元手に
・ 集めた資金に借入金を上乗せして投資
・ 運用規模を膨らませるための借り入れ

といった感じです。1)文中に登場する回数や、2)訳文の読み手は誰か、機関投資家か個人投資家か、といった点を考慮しつつ、適宜、いろいろな表現を充てています。

一覧へ
株式会社ワードトラストトップページへ戻る
株式会社ワードトラスト
WORD TRUST English お問合せはこちらへ 電話:03-6427-0061