今日は、金融用語というわけではありませんが、金融翻訳をしていて頻繁に出てくる表現について考えてみたいと思います。reflecting ~、helped by ~、on the back of ~といった英語です。例を挙げましょう。
1)Commodity related stocks climbed, reflecting a surge in oil prices.
2)Pharmaceuticals closed higher on Tuesday, helped by a government report that ~
3)Auto stocks rallied on the back of the weaker yen.
基本的に「~によって」という意味ですが、これらのほかにも、due to、with ~ など、様々な形で登場します。「~を反映して」、「~を受け」、「~を手掛かりに」いろいろな訳が考えられます。
1)Commodity related stocks climbed, reflecting a surge in oil prices.
「原油価格の高騰を受け、商品関連の銘柄が上昇した。」
他にも、原油価格の高騰を「反映して」、「背景に」、「材料に」なども使えると思います。
2)Pharmaceuticals closed higher on Tuesday, helped by a government report that ~
「医薬品関連は火曜日、~という政府発表を手掛かりに、高値で引けた。」
この場合は、「を受けて」「手掛かりに」、「材料に」が良いかもしれません。
3)Auto stocks rallied on the back of the weaker yen.
「自動車株が、円安を背景に急騰した。」
on the back ofは文字通り、「~を背景に」となりますが、「~を材料に」でも良いですし、「円安傾向も手伝い」なども使えるかと思います。
上記の例はすべて、株価が上昇したこと、ある意味、「良かったこと」の場合ですが、逆に「悪かったこと」の場合、「~が響き」、「~が影響し」なども使えるでしょう。
こうした表現は、新聞を丹念に読んでいると、いろいろな形で使われていて、大変参考になります。
要因や原因を示すこうした表現は、同じ翻訳原稿の中に数回出てくる場合があり、「~を受け」や「~を反映し」を繰り返していると文章が冗長になります。
いろいろな表現を工夫して、変化を持たせることで、立体感のある生き生きとした翻訳になるように思います。
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